以前お預かりした50S [ベスパ]
以前おあずかりした50Sの作業紹介です。
とにかくブレーキが効かない!シフトが固い!
との事でお預かりしました。
元々ベスパのドラム(特にフロント)はビックリするほど効かないって印象でしたが、
こちらは全くと言っていいほど効きません・・・。
しかも、どちらかと言えば効くリア側・・・・。
ドラム内側(画像下側)にオイルが溜まってるのがお判りでしょうか?
案の定、ドライブシャフトのセンターシールからですね。
ベスパあるあるです。
フロントは特に問題なしでしたが、
シューに気休め程度にスリットを入れときました。
続きまして、シフトの問題。
どうやら、クラッチが引きずってるのが問題のようです。
各スチールプレートに最大で0.6㎜程度の歪みがありますね。
交換!!
フリクション側もセットで交換していきますが、
こちらひと手間掛けます。っていうか掛けました。
左側が未処理、右側が処理済み
判りますかね?コルクとコルクの間に
はみ出したコルクのカスやボンドがあって綺麗に鉄板部が出てないんですね。
これがあるとコルク部分の油切れが悪く、クラッチの切れの悪さにつながるんですね。
そんな訳で、鉄板とコルクの境目をパキッとさせていきます。
次行きます。
ピントが合ってませんが、クラッチワイヤーも交換します。
今回はアウターにもダメージが出てますので、総とっかえです。
取り回しが結構面倒なので、無防備にズルズル引き出しちゃだめですよ。
まずは古いインナーケーブルを抜き、インナーケーブルの2.2倍程度の長さの針金を通します。
次に、車体後ろ側に新しいアウターケーブルをセット
そちらに針金を通し、抜けないようにロック
ジョイント部分がこんな感じになるように。
(交換した後の画像ですが・・・)
ダマにならない程度に、軽くビニテで繋げておいた方がいいですね。
あと、アウターを潤滑剤でテラッテラにしておきましょう!
あとはエンジン側から押し込みつつ、ハンドル側から少しずつ引っ張りだす!
アウター交換が無事終わったら、あとはインナー。
ヨリの方向に気を付けながら、回しながら入れてくと結構簡単に交換できます。
ワイヤー完了。
レバーのタイコひっかけ穴も変形しちゃってますので、
こちらも交換していきます。
ブレーキ、クラッチの修理が終わりましたが、
今回もう一つ気になった部分で、アクセルワイヤーのアジャスターボルトに
固定ナットが入ってなかったので、追加しようとしましたが・・・・
1つ問題が・・・・
アジャストボルトがM5、ピッチが0.75というサイズ・・・・。
現在の規格だと並目ピッチで0.8細目0.5・・・。
まさかの旧JIS??
でも旧JISで0.9・・・。
どうやら、その昔M5でも特殊な細目として存在したようですが
今では・・・・。
困りました・・・・
アジャスターを手に、他に固定する方法を色々と考えてみましたが
あまりいい方法は思いつかず・・・・
その時何となく並目ナットを入れてみると!
途中までは入る!!
ってことは!ナット薄くしたら入んじゃね?
早速削ってテスト!
入った!!!!
ロックするのに十分なトルクもかけられます!!
問題解決!!
ネジ職人さんに怒られちゃいそうですが、十分に要は足せそうですのでOKとします!
そんなわけで無事納車!!
開け始めが若干鈍いので、
ホントはスロージェットも交換したいところですが、欠品中とのことで
とりあえず乗りながら気長にお待ち頂きましょう・・・。
そして、今回もSSTを製作致しました。(製作って程のもんじゃありませんが・・・・)
クラッチ分解時に使いますよ。
ありがとうございました!!
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