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今更なんですが・・・ [雑記]

書いておかなくちゃと思いましたので・・・・


水没車についてです。かなり長文です。



去る10/12。


台風19号で当店のある郡山市でも相当の浸水被害がありました。


そして、それに伴い相当数の車両が水没し、当店にも多くのお問い合わせがありました。




世間では、「水没車は廃車」というのが定説だと思います。


結論から言うと、


そんなことはありません!きちんと復活します!!

(絶対ではありません。全然望みはあるって意味です)


事実、当店でもリッターバイクから原付、


シングルからマルチ、キャブ車もインジェクション車も


ありとあらゆる車両、合計14台お預かりしましたが


全部復活しました。

(そういえば2ストは作業依頼がありませんでしたね・・・・。)


はじめは「正直難しいかな・・・・。」と思いながらも


「復活させられるかどうかわからないけど、やれるだけのことはやってみます。」


そんな感じで作業を始めました。


ハンドルの上までガッツリ被った泥も所々乾きはじめていました。


水は勿論ですが、泥も心配でした。


しかし、乾いた泥を触ってみると、まるで片栗粉のようにサラサラしていました。


この時、少し希望が見えた気がしました。


仮に泥がエンジンに入ったとしても、カジリなんかの原因になる可能性はほぼ無いような気がしたんです。


勿論、エンジンから何から全バラして組み直せば間違いはないでしょう。


でも、ただでさえ物入りな方々に求める負担にしては厳しすぎます。


しかも正直どこまでどんなダメージが出ているかわかりません。


そんなわけで、当店ではチェック項目を何点かに絞って作業をしました。



シングル車で、運がいいと圧縮上死点で止まってて


シリンダーに殆ど水分の混入が無い!!なんてこともありました。


詳しい作業内容を説明しようとすると、かなりの文字数になりますので割愛させてもらいますが、


要は、基本中の基本


混合気がシリンダーに送られてて、圧縮があって、点火していればエンジンはかかります。


そしたら、軽く走って問題なければ、ひたすらオイル交換!!


そこから、細かい部分をチェックしていきましょう。


今回は海水じゃなく、川の水(淡水)だから錆の進行も遅かったのかもしれませんが


それにしても水没車復活には時間が勝負かと思います。


ここで覚えておいて頂きたいのが、錆の進行は水そして酸素が不可欠であることです。


つまり

湿度の高い大気中よりも酸素濃度の極めて低い水中の方が錆の進行は遅い


ということです。


つまり、水抜きから始まる復活作業ですが、


水を抜いたら、可能な限り短時間で作業を完了させるということです。


最悪でも早いうちにオイルまみれにしてあげる事が重要かと思います。


でも、キャブなどのアルミ部分は逆でこちらは水中で


どんどん腐食が進んでいきますので、こちらは一刻も早く乾燥・オーバーホールが必要です。


発災から2か月以上が経った車両でも


シリンダーに錆がごくわずかしか発生していことには驚きました。


もちろん各種電装部品はしっかり乾燥・防錆処理をしてから使用します。



もっと早く発信できていたら、もしかしたらもっと多くの車両を復活させられていたかと思います。


その前からお預かりしていたお客様は


緊急事態の為、水没車を優先させることにご理解くださいましたが


それでもいつまでもお待たせすることはできませんので


ある程度制限するために、全部片付いた今の発信とさせていただきました。


今回水没してしまった方は、そろそろ復活には難しい段階に入ってきてしまったかも知れません。

(もしかしたら、まだまだ大丈夫かもしれません!!心当たりの方、とりあえず一度ご相談ください。)


でも、次にこんな事が起きてしまったときに


これを読んだ方が、諦めずに復活に向けて動いていただけるように願いを込めて、


今回発信させてもらいました。


(あくまでも経験から書いていますので、どんなケースにも当てはまるわけではありません)





来年も皆様にとって素敵な一年になりますよう・・・・・


それでは、また来年お会いしましょう!!



















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